WISTORIA★TURISMO

   同人サークル「ウィストリア」「W TURISMO」活動案内  <2019年8月、Yahooブログから移転>                          赤以外の色字にはリンク色々いれてあります。ご参照ください。

温泉神社 ~解説&後記~

 *** 掲載内容について ***********  
< 個別掲載10社 >
好みの温泉地は泉質一覧表で選んでもらうとして、ここでは本誌に載せられなかった温泉地情報とリンクを掲載します
※温泉ランキングは作成中  ※色文字(水色以外)にはリンクが入ってます

鳴  子 「硫黄泉」
関所手前なので山の中かつコケシのイメージから「古臭い温泉街」?(←失礼)と思って行ったら、宮城野からは平地移動かと思うような緩やかさでアクセス◎。新しいイベント広場やカフェもあり老舗店と良い具合に混在。日帰りでも楽しめます👍
無料P:ここに限らず、どこの神社Pも参拝者専用! 温泉街散策や共同浴場でゆっくりする場合は必ず「湯めぐりP」へ。
共同浴場昔ながらの「滝乃湯」↓と斬新な「早稲田桟敷湯」↓、両方入浴がオススメ

                    ※右隣の郵便局とこけしポストが目印 ↑

 

蔵  王 「石畳風の狭い坂道温泉街」「硫黄泉」
泊まり推奨 or 県境越えの立寄り観光に〇。冬季は色々営業形態が変わり除雪状況も様々、休業する湯もPもあるので要事前チェック★

共同浴場参拝の禊としては鳥居前の「上湯」。蔵王ならでは」なら――
① すのこの湯源泉湧出地の真上に「すのこ床」の浴槽がある。共同浴場の「河原湯」は狭くて休業多めでそのうち住民専用になるのかも・・・?なので、同じ造りで洗い場のある隣の「かわらや」へ。こちらは広くて洗髪可能、値段もそんなに変わりません。
② 大露天風呂:有名なのは一番東にある「蔵王大露天風呂(冬季休業)、ちょっと規模は劣るけど体が洗える「源七露天の湯」もオススメ。
無料P:温泉街をゆっくり散策するならバスターミナル向かいの無料PがBEST。
薬師神社前の無料Pは2~3台分くらいの路肩で、冬は除雪が厳しい予想。
ついで観光:無雪期ならロープウェイで楽々トレッキング、車で御釜を見に行くのもいい。冬季はゲレンデ&樹氷☆  ↓左から上湯、下湯、かわらや&河原湯

 

◆ い わ き 「硫黄泉」
動力揚湯でここまで豊富な湯は凄い!でも、そのうちいつかまた、枯渇するんだろうなあ・・・というわけで、今のうちにGO! 日本列島的に辺鄙なエリアに位置しているので、お安くソロOKな老舗旅館が多くて◎
無料P:散策・入浴するなら神社左の市役所P(週末もOK)へ。
共同浴場・・・ではなくここは「掛流し銭湯」。建物情緒的に「さはこの湯」がオススメ。「上の湯」は狭すぎるし、ここもそのうち住民専用になりそう。。。
ついで観光:それはもう、スパリゾートハワイアンズしか無・・・

 左から ↑鶴の足湯、↑さはこの湯、↑温泉モニュメント、↑駅前足湯、みゆきの湯

 

那  須 「石畳風の狭い坂道温泉街」「硫黄泉」「プチ地獄」
那須岳ロープウェイで簡単に登れるので奥社まで参拝し、1泊して遅い時間にゆっくり共同浴場に浸かるのがBEST。冬ならMt.ジーンズへ☆

無料P:繁忙期でなければ大体停められる。ダメならビジターセンターへ停めて、西の斜面から温泉街へ降りていくと便利。河原湯より南東の「町営湯川P」はコロナの影響か全く管理されておらず、ここから温泉街へ抜ける道は草ボウボウでアウト。
共同浴場唯一の日帰り共同浴場鹿の湯」、混みます。やはり泊りがオススメ。

 

伊 香 保 「石畳風の狭い坂道温泉街」「石段」
無料P:露天風呂の方に停めて、歩いて温泉街へアプローチするのがBEST。「石段の湯」にも無料Pがあるけど朝早くでないと停められないので本誌には載せてません。
共同浴場石段の湯」より「露天風呂」の方がオススメ。
ついで観光:榛名山カルデラ湖、榛名神社。時間があるなら赤城山妙義山で三山コンプリート☆ 史跡は「保渡田古墳群」(かみつけの里博物館)と「観音山古墳」(群馬県立博物館)@高崎市

 

伊 豆 山 「石段」
温泉街は無いし宿も散在していて、どちらかと言うと保養温泉地。泊りは「夜は外出などせず宿でゆっくりしたい人」向け。
また、この石段を往復せずしては伊豆山を語れません!参拝は歩きやすい靴で☆

尚、2021年熱海の土砂流出は、この神社の西を流れる逢初川。
その影響で休業していた「浜浴場」は最近やっと営業再開しましたが、足湯はまだ休業中。「走湯」は史跡であり動力再現ですが、一見の価値アリ。
無料P:鳥居横のPは5~6台のみ。本殿横のPは広いけどそこまで登る西の道路はセカンドでも失速しかかるほどのゲキ坂。AT車はBレンジかパドルシフトの使用必須。

 

熱  海 「海際温泉」
民宿、ビジホ、シティ~リゾートホテルまで選り取り見取り、夏は海水浴と魚介パラダイス、冬は花火と梅園☆ R145沿いには海鮮料理屋が点在、東海道新幹線駅「熱海」から歩いて色々行かれるので、日帰りだってOK。

無料P:あるわけない。Wは住んでいた時からいつも市役所隣のマックスバリュに停めてサクっと観光し、帰りにわんさか買い物します。
共同浴場駅前の1軒のみ。ここも最近休業が多いので、日航亭の金額がイヤなら熱海七湯周辺の旅館のお安い日帰り入浴を調べておいた方が良いです。
ついで観光:伊東熱川下田西伊豆三島御殿場湯河原箱根――ともう、伊豆半島全体が観光王国☆「伊豆ならではグルメ」は、やっぱ深海魚類(キンメとか)の刺身! 回転寿司でもじゅうぶん旨い✨

伊豆は12月まで紅葉が観られ、1月に梅🌸が咲き、2月には桜(河津町)と水仙石廊崎)が同時に楽しめる温暖海洋気候ですが、半島の尾根を走る伊豆スカイラインは冬は積雪するので車で通るならタイヤかチェーンの用意を。

有  馬 「石畳風の狭い坂道温泉街」「川床散策可」
大老舗ゆえに、商標登録とか色々敷居の高さが目につく温泉です・・・が、温泉街の狭さと古さと雑多さは草津とイイ勝負(褒めてます)。「泉源」(源泉のこと)の古い設備はまさに「湯釜!」って感じで最高。

P:有料Pは沢山あるけど道が狭いので・・・日帰りなら神戸から電車がBEST。
共同浴場古代の湯である金泉を味わうなら「金の湯」へ・・・でも、混むぞ~💧
ついで観光:六甲山


道  後
再訪できなかった温泉その1。
しかも大改修中(終盤)なので今どうなっているかハッキリした確証が得られず、手湯や分湯場などの情報は全て省きました💦 それでもじゅうぶん過ぎるレジャー度・・・ここも有馬同様「名高き湯」ですが、敷居が低く謙虚で素晴らしいです。

共同浴場やはり本館!✨ 飛鳥椿もそれなりに凄いけど、本館は湯釜の格が違います。この大改修プロジェクト中でも、湯ごとに休業して連日開店👍 2F屋根上には湯神社の分社(小祠)あり。
無料P:週末のみ 伊佐爾波神社の南東に用意されますが満車率高し。それもあって「一泊して温泉街を満喫する」のがオススメ。

そして訪問前にはぜひ、明治の早い段階で鉄道を敷いた小林信近(伊予鉄道)と伊佐庭如矢(道後鉄道)を調べてみてください! いやもう、熱いわ明治・・・
尊福たかとみサマと同時代、いつか大河ドラマか朝ドラにならないかなーと期待してます^^

 

玉  造  「川沿い温泉街」「川床散策可」
再訪できなかった温泉その2。
玉湯川沿いへ降りて歩ける上に、神サマモチーフの変な銅像?がいくつかあるんですが、これも現状が確認できないので載せませんでした。大雨土砂災害あったし・・・

無料P:神社Pか北の無料Pに停めてのんびり川沿いを歩いて往復するのが楽しくて確実。玉作資料館Pも空いていてオススメ。ただ夏は史跡公園が草ボウボウかも・・・
共同浴場無い!=泊まるか高い旅館日帰り入湯しないと湯を正しく楽しめません。
湖畔のホテルに泊まると温泉街の旅館大浴場に無料で入れることがあるのでチェック☆
ついで観光:
宍道湖松江城出雲大社

尚、湖畔にあった「まがたまの里伝承館」は2022年1月に閉店しましたが、経営元は「めのうや しんぐう」。伝承館で扱っていた品物なら、温泉街の本店で買えます。

 

<おまけ3湯>
こちら3湯は泉質も湯量も凄すぎて「湯の神の加護も要らなかったんじゃ?」というくらいのエリート湯・・・・・・「温泉好きなら絶対に行くでしょ」TOP3☆

登  別 「地獄谷」「旧分類で9泉質」
無料Pも共同浴場も無いので、ここも泊まり推奨。そして無理矢理頭数揃えてでも、大枚はたいてでも!湯澤神社の創建者が建てた第一滝本館をススメます!
団体様オッケーな大型ホテルで昭和の香りも色濃く、お値段を裏切らない充実度。何より5種の泉質全てを1つの超・大浴場で揃えてしまう豪快さが凄いっ✨

P:田舎なのに無料Pが無いのは本当に残念。。。でも9種味わうには泊り必須!
共同浴場・・・も無い💧 薬師如来奉献の「目の湯」必修、「さぎりの湯」イチ押し。
ついで観光:クマ牧場倶多楽湖)、函館小樽札幌支笏湖洞爺湖苫小牧白老(アイヌ国立博物館!)


草  津 「石畳風の狭い坂道温泉街」「プチ地獄」「硫黄泉」
総硫黄量は大したこと無くても、硫黄の産業的産出量は日本1位!でした。
湯畑は他の温泉地でも見られますが、発祥はここで、規模もここが一番。
白根山と浅間山の火山性微動最新情報」は要事前チェック☆

尚、「時間湯」は湯もみと湯長がセットの伝統入浴法でした。
しかし2019年、湯治客への問診が医療行為にあたる可能性があるため、町は長年続いた「湯長」制度を廃止。今は時間湯をしたければセルフで――ということに。

無料P:西のゲレンデPへ停めれば、西の河原を通過して温泉街へ入る良い構成。
※有料の湯畑Pは15~翌日10時まで一律¥800、10~15時は2時間¥600。。。つまり10時前から10時過ぎまで停めると¥1400かかってしまうので注意!
共同浴場「煮川」は狭くてゲキ熱、「白旗」はメチャ熱、「地蔵」はちょいヌル、「千代」普通。さあ、どうする?? ※日帰り浴場はこちら
ついで観光:白根山万座北軽井沢鬼押出し浅間山)、吾妻郡の温泉(川原湯、川中、四方)、志賀高原(暖期のみ)


別府八湯 「地獄」多種、「旧分類で10泉質」
泉質だけでなく「温泉地の雰囲気」も選べる稀有な地・別府。
「一泊しか出来ない!」なら、一番有名な鉄輪温泉(石畳風の狭い坂道温泉街)が良いでしょう。各地獄も神社もすぐソコで、ウォーキングがてらに周れます。

「電車で日帰り!」なら別府温泉。モロ駅前で「西の熱海」感。
しかし昭和のディープな歓楽街が生き残っていて、それを観光要素として堂々とPRしているのが珍しいというか新しい。

それにしても「火男火女神社」、どうして下宮のサイトに中宮・奥宮への言及が一切無いんだろう・・・・・・中宮・奥宮は神職が常駐してないとか管理が別とかでも、普通載せるよね・・・ 何かあるのかと勘繰りたくなる💦

************************
こんな感じで、どこも温泉としても観光としてもお墨付き。神社に興味が無くても楽しめるので、オタクじゃない人を連れていっても大丈夫👍

だってね、泉質の良い温泉地ほど「1人で泊まろうとするととんでもない値段」になるんです。なぜなら、ソロ客を受付けていないから。客に困ってない人気温泉は、ソロなんて受付ける必要がないんですよね~。そういう意味では、コロナ禍は最高でした。今はもうその効果も無く、どーしても1人でバス付!なんてホザくなら、大して綺麗でも広くも無い部屋を1室2名予約でおさえるしかありません・・・。なんてコロナ禍でも「素泊まりトイレ付」すら2万円じゃ無理で、結局は昔ながらの湯治宿(「トイレ共同、Wifi無し、お風呂は隣の共同浴場へ」系)に宿泊しました。それもソロ客同士で呑み会したり宿のおばちゃんおじちゃんと話し込んだりと、旅の思い出濃くて楽しいんですけどね^^💧

 

****その他****************

温泉系神社リスト
リストインしなかった温泉は温泉系神社がイマイチだったり泉質がイマイチだったりして敢え無く漏れたものばかりですが、カルルス温泉北海道薬師神社)と一大温泉地・箱根神奈川:湯権現)を載せないのはさすがに最後まで悩みました。でもまあ、温泉本じゃないから仕方ない💦 既に記事になった神社を省けばもうちょっと載せられたけど、一覧でパっと見られた方が選別や比較に良いかな・・・と思い直してあんな風に。50社、やっぱ少ない!

 

湯の川温泉 函館市
「神社として」はとても良いのに「温泉系神社として」はいまひとつで「温泉として」も泉質がイマイチ&街並みに風情が無く‥‥函館戦争の傷病兵の慰安地で松前藩主関係の伝承もあるので個別記事候補だったんですけど、同じ北海道の登別にはカンペキに劣るんですよねえ💧 函館駅からは路面電車で15分くらい。

瀬見温泉山形県 最上郡最上町
義経が奥州平泉へ逃げ込む時のルート上に坐しますこの良湯。
熱海と同じ社名からも「源氏との関り」が感じられ、「ここで義経の正妻が出産したのでは?」と言われています。で、ここから東の「尿前の関」で「産子が初めて尿をした」らしく、そこを越えると「産子が初めて啼いた」(→「だから啼子と言う」)の鳴子温泉。見事なツジツマ👍

岳温泉福島県 二本松市
三代実録などに載る「小結温泉」の後継湯で、長距離引湯で湯もみしたり昭和にニコニコ共和国(1982-2006)を樹立したりと異色な温泉地。単純酸性泉というのも珍しい。
ここまで来たら安達太良山登山して明治に大爆発した沼ノ平火口と、源泉地にある山小屋で掛流しを味わいたい✨  山頂に一番近いロープウェイ岳温泉側にある。

磐梯熱海温泉福島県 郡山市
こちらはハッキリと「熱海から勧請した」と伝わる温泉神社・・・なのに、なぜか社名が有馬と同じ「湯泉神社」。漢字は偶然で「ゆぜん一派」なのかな?

薮塚温泉群馬県 太田市
昔はお湯だったのに馬がいなないたら冷泉になってしまい、民が途方に暮れていると
「沸かして入れば薬効がある」と薬師如来の御告げがあった――という、ちょっと変わったタイプの開湯(?)伝説が残ってます。
神社の規模は小さいですが中々の立地。温泉施設数第5位の群馬県で唯一の「温泉神社」社名、メタケイ豊富な炭酸水素塩泉♪

松之山温泉新潟県 十日町市 日本三薬湯
浴室にはモール泉に近い腐敗臭が漂い、24時間漬けた温泉玉子は真っ黒になるという成分のエグさ。中央構造線からは離れてますが、停滞水起源の「有馬型温泉」です。
ここの薬師堂は「前の年に新郎となった男を担ぎあげて雪溜まりに投げ落とす」という冬の特殊神事「婿投げで有名、=カンペキに神社、ですねもう。

古奈温泉静岡県 伊豆の国市
長岡温泉と合併して現在は「伊豆長岡温泉」という名称になってますが、様相が全く別。「古奈」は頼朝も訪れた古湯なのに近年住宅地として開発されてしまい、温泉街がありません。神社には伊豆石石切場が隣接しており、遺跡のような雰囲気が人気。

「長岡」は源氏山を挟んで西側の後発開発温泉で、こちらにも小さい温泉神社アリ。「(伊)古奈」は伊豆の古い呼称だったのか、湯ヶ島(伊豆市)にも「古奈温泉」があり、南伊豆の下田には伊古奈姫という女神が祀られてます(名神大、現「白浜神社」)。

城崎温泉兵庫県 豊岡市
歴史も古いし有名だし川沿いの温泉街も整っているし、何より「外湯巡り発祥の地」で
「内湯騒動」(※)も面白いから個別記事にしたかったのですが・・・
共同浴場が綺麗すぎて文明的で、値段高過ぎ! 神社も温泉系らしさが無く、泉質は単純。温泉街としてもちょっと評判悪いので、サクっとリストのみ掲載。
※近代になって宿に内湯が作れる技術や余裕が出てくると、組合が「内湯を作ってはいかん!」と阻止にまわり、抗う宿と激しく対立したんだそうな。

岩井温泉鳥取県 岩美郡岩美町
式内なので最初は個別記事に入れようとしていた「御湯神社」。
でも温泉街からかなり離れているうえに祭神が八上姫&御井神(@記)で「これ、御井神社なんじゃないの?」疑惑が働きあえなく落選。

この御井神は玉造の頁でちょっと触れた「湯の川温泉」にも関わっております。

湯の川温泉が「美人の湯」を主張するのは、御井神の母「八上姫」が「因幡へ帰る前にここで湯に浸かり綺麗になった」という伝承があるから。出典が曖昧な伝承で、どうやら温泉の北西にある御井神社の社伝のよう・・・。それか、旅館の小祠・八上姫神社かな?(昔は山側にある大きな神社だったとか)。
その伝承によれば「大国主に会いに杵築へ行く直前、この神社で産まれたので社の泉を産湯に使った」と。

ところが御井神は、鳥取県では「因幡に帰国してから生まれた」です。湯の川温泉自体もそんなに古くないので、江戸~近世に捏造した神話じゃないかな~と。まあ「伝承」って大体そんなものなんですけどね・・・

長門湯本温泉山口県 長門市
正式名称は湯本温泉。
歴史があるので老朽化激しい旅館ばかりですが、近年「星野リゾート」が参戦。川沿いの遊歩道や共同浴場も綺麗に整備されお店も増え、風情のある温泉街に向かって邁進中。アルカリ性単純低温泉でも周辺に温泉街が僅少なので、重宝されています。

雲仙温泉長崎県 雲仙市
有明海に突き出た島のような雲仙普賢岳は活きが大変宜しく、昭和の大噴火(死者43名)は「世界初の火砕流映像資料」として有名。WもTV放映をリアルタイムで見ていましたが、あれが報道加熱問題による災害だとは今回調べるまで知りませんでした。

2020年には地獄散策用の市営駐車場の地盤が火山活動により陥没し、ガスや温泉が噴き出た(ので周囲の舗装をはがしたら新たな「地獄」になった)とか何とか・・・ 現代日本TOP10に入る「現役活火山」。九州では珍しい白濁硫黄泉☆


 共同浴場の入り方
石鹸の無い時代に造られたので、共同浴場は元々「洗う処」ではなく「湯に浸かる処」。「何も無い」と聞いてドライヤー持ち込んだ子も居たけど、コンセントも無い(笑)「良い共同浴場」=「板で囲まれた野天風呂」、その分「お湯は最高」です。

とにかく重要なのは「かかり湯」
これは銭湯でも旅館でも、いえ、家庭でだって必須のマナーです! なのに最近は普通の温泉旅館でも「脱いでいきなり湯船入る」なんて若い子~おばさんが多くてギョっとする。。。衛生的にアウト、マナーとしても野蛮人レベル(><)

それと同じ理由で、「水着着用可の掛流し温泉」もオススメしません。
プールや循環ろ過の風呂なら塩素消毒してるけど、掛流し施設は何も消毒機能がありませんから。水着着用前に洗うなんて気遣いできる人間はそもそも水着着用で入浴しようなんて思わないし、「かかり湯」なんて物理的に出来ない。確実に、不衛生デス

 

 湯の神
「大少二柱」は、伊予国風土記逸文が無ければこうまで「湯の神」として捉えられることはなかったでしょう。やはり仏教で国を管理していた時代(奈良~幕末)が長いので、数では薬師如来に敵いません><

「湯権現」
大湯(魚沼市)、下部(見延町)、高城(薩摩川内市)と熊野神社を祀る有名温泉地は意外に多く、修験道の勢力伝播と湯の性質には左右されない繁盛振りが目立ちます。でも現在は本宮と切り離されているのか、温泉系神社として主機能している熊野神社は見当たりませんでした。尚、熊野は「ゆや」とも読みます。・・・「湯屋」?

「薬師堂」
万座群馬県)、別所長野県)、湯村兵庫県)等々・・・・・・武家社会とつるんで繁栄した温泉は当然、寺院系(薬師堂・薬師寺・温泉寺)ですね。白馬八方温泉(長野県)も薬師堂。でも安置されている木像が観世音菩薩・地蔵菩薩阿弥陀如来の三体で「薬師如来どこいった?!」状態(笑)

因みに「薬師を本尊とする温泉地の寺院」でも「医王寺」はちょっと別で、医薬方面の信仰は強いけど温泉にはほとんど関係無い。「いおう」は硫黄から来ているのかと思ったら、由来は中国にある「育王」(阿育王=アショーカ王)の寺「育王山」だそうな。北陸に「育王山と同じく薬草が多いから」と名付けられた医王山あり。


 何故無い?温泉神社
いやホント・・・もっとあると思ってました「温泉神社」。全ての温泉にあるとは思ってなかったけれど、まさかこんなに少なくて偏っているとは💧

「温泉地の数(宿泊可のみ)」ランキングは上位が北海道長野新潟福島青森・・・と東日本ばかりで、西日本(九州除く)は下位独占。「日帰り浴場を含む」と静岡(というか伊豆・・・)がTOPに躍り出て、「利用人数」ランキングではここに「人口の多い関東勢」の神奈川(というか箱根)や群馬が上位に加わります。そして「温泉街」に限ると、そりゃもう圧倒的に東日本優勢なのです。

たとえ温泉街であっても、管理の都合(←江戸時代まで戸籍や納税記録は寺が仕切ってました)なのか、寺院系(温泉寺、薬師寺、薬師堂etc)がスタンダード。「薬師神社」が圧倒的に東北に多いのは、そんな寺管理の時代が終わった後(=明治以降)に開発された温泉地が多かったせいでしょうか。。。。

とにもかくにも、温泉系神社のある温泉街は全体の4割以下 です。今まで漠然と認識していただけでしたが、この本のためにきっちり調べてみて初めて諸々明確になりました。なんかスッキリ&今後の開拓も効率的に運べそう

尚、「長野県には温泉神社が存在しない」と載せましたが、薬師堂は多いです。そして「温泉神社」と言う名の板碑や小祠なら点在しています。でも登録も神事もしていない以上、あれらは神社ではなく「祠」、なんですよね。。。。ホント強いです、諏訪神党。Wの自治会(安曇野市南部)の氏子神社はもちろんのこと、四方八方の村社が諏訪神です(笑)

 

野沢温泉(長野県)
ここも、源泉ごとに仏教系祠堂があります。開湯縁起のある「熊の手洗い湯」は源泉の上に薬師堂が建ってるし、例の湯澤神社の南東(野沢菜発祥の地)には一番立派な温泉薬師堂があるし、各共同浴場には神将が祀られているし。。。野沢を象徴する「麻釜おがま」の源泉地(麻釜熱湯湧泉:天然記念物)には「釜神かまかみ」と称する石碑(「大己貴神」「少彦名神」)もあります。

なのに「ご一新」以降の商業主義により「全てまとめて野沢温泉👍」として売り出すこととなり、当時は国学(神道)優勢なので当然「温泉組合で共同祭祀するための”神社”が必要じゃね?」となって。。。。。。それで、村で一番格の高い湯澤神社(郷社)に白羽の矢が立ったのではないかなーと。ええ、妄想です。それほど温泉神ゆのかみ要素が激しく薄いんです、湯澤神社。

 

温泉資料(温泉法と泉質)
旧分類(最古。~1976)は17種もあってわかりにくく、新分類(1982~)も発表直後は「???」だったのですが、この表を作ったら何となく理解に役立ちました。確かに新分類の方が成分明確!でも、巷のウケは悪いんですよねえ・・・

尚、本誌で「泉質種類」と言っているのは掲示用泉質名」のことで、現在(最新:2014~)は10種。「旧泉質名」11種(1976~)は「旧分類(最古)」に比べれば新しい方です。最新(2014~)の「泉質名」は「含〇〇-Na-~泉」まで表記したものを言い、療養泉に限って使われるもので組合せで何種類にもなるので、泉質種類を数える時には使いません。

詳しく知りたい!と言う方は以下参照↓
温泉法  鉱泉分析法指針  旧泉質対照表  国民保養温泉地

明治帝国軍が指定した転地療養温泉とかの一覧も作りたかった・・・

上記リンクを見ればわかると思いますが、「モール泉」は法定の泉質名ではなく、地下1000mまで掘削できるようになった現代ならではの通称温泉名です。「アルミニウム泉」「銅鉄泉」はH26年(2014)の改訂で削除された「旧・掲示用泉質名」(その代わり「ヨウ素泉」が登場)なので、あと数年で成分分析表からは消えるでしょう。ですが、各観光協会や旅館組合ではまだ旧分類(最古)で数えているところも多いです。さすがに「旧分類(最古)」はもう削除すべきですが、現状に合わせて1982年以降のものを・・・というわけで、本誌では「13種」としました。

また、無料DLの「掲載温泉の泉質一覧表」でも大変だったのが総硫黄の算出。成分分析表って自治体によって書式がマチマチで、手書きのところまであって、硫黄含有量算出に必要な情報が載ってなかったりするんですよね💧 載っていてもそのままの数値では使えないし、ホントややこしい。

この辺は温泉本になってしまうから我慢我慢と抑えた最たる部分でストレスMAX。近日中にまた別ページ作って解説したいと思います(^^)/

 

< 今回の参考文献 >

温泉の平和と戦争石田理夫(彩流社) ISBN978-4-7791-2179-1

鹿塩温泉の水と塩はどこから来たのか風早泰平:講師(中央構造線博物館

出雲を原郷とする人たち岡本雅享(山陰中央新報社) ISBN978-4-86578-098-7

・情報元の多くは現地の説明板、石碑、句碑、観光協会発信、地元民の談話@浴室

・神社関係は『古事記』 『日本書紀』 『風土記』 『神社名鑑』 『神社辞典』 等

 

 **** 後記 ****************  
いかがでしたでしょうか、W初の箔押し本!
憧れてました、箔押し。 死ぬまでに一度は・・・!と。
いやはや、たっかいですね💧  ホロ箔浮き出しやタイトル空押しも魅力的でしたが、試算したら単価が凄いことに(>_<) 本当は温泉マークも全て箔押しにしたかった! でもこれは、金色インク(特色)で正解でした👍

今回はシリーズものでもマンガでもないので、色や紙にこだわろうと前々から決めてました。特に表紙は、ど~しても「硫黄泉の水色」にしたくて。最初は和紙系しか頭に無かったのですが、印刷所に相談しているうちに「温泉モノなら耐水紙(ツヤ紙)がいいんじゃ?」と気づいたのが締切1ヶ月前。色はCMYK指定のベタ印刷で(←高くなる!)

本物の耐水紙(ユポ)は薄すぎてダメで、防水加工もやってないとのことで結局は無理だったんですが・・・・・・ツヤ紙に頭を切り替えて探したらこの「ファンタス」の「うぐいす色」を見つけて「これだ――!!✨」と。
この紙、触った指の脂で変色するうえ「傷つきやすいのでPP加工必須(PP加工も初めて!)。値段はあがるけど撥水性もあがるし、最高です。。。
まあ、中綴じできるか微妙な厚さになってしまって「原稿位置総変更」という作業が発生しましたけど💦 イメージ通りの色のためなら!=3

表紙の色は含硫黄-硫酸塩泉(酸性)、表紙裏側の刷り色は硫黄泉の流れる処に繁茂する温泉藻のイメージ、本文紙はアルカリ 硫黄泉の色(いわゆるバスクリンの色)♪ 
 ↓2枚とも御釜蔵王(天候や時期によって色が全然違う)↓  表紙の色✨ ↓湯釜@草津

↓湯畑@草津↓ 岩に温泉藻が・・・ ↓こちらは沈殿硫黄に、こちらは析出硫黄に繁茂↓

硫黄泉が醸しだす色合いってホント好み💛 遊び紙は、CaやらSiやらが多い温泉の浴室床におっそろしい程の沈殿結晶が出来て歩くのも痛いくらいの、あの感じ――――どうでしょう、表現できていますかね?

そうやって表紙に注力した反面、中味の絵は・・・ペン入れ始めたのが発送締切7日前、トーン貼りは前日から始めて半休とって発送30分前まで。神社本なのに社殿よりコケシや岩や山や浴室に時間かけちゃってるし(>_<) 地図も出来上がりが意外にシンプルで「もっと描きこめば良かったな・・・」と反省。。。

とにかく大変ではありましたが、全体的に楽しかったです、温泉神社本。
てか良かったです、各地の温泉♨ 草津蔵王那須は再訪確約、硫黄泉大好き!

長年続けてきた湯の神探訪もこれでひと段落ですが、まだ「いつか行く!リスト」に残っている温泉系神社は山ほどあります。小粒系は老後の趣味にとっておくとして、機会があればまたガンガン参拝したいと思います